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清輝楼日記:丹後半島宮津/天橋立の文人墨客の宿
京都府北部丹後半島・宮津/天橋立の老舗旅館清輝楼主人の徒然日記。元禄年間創業の宿は「小さなちいさな美術館」として文人墨客の作品を多数展示。歴史・まち歩き情報など丹後宮津/天橋立の魅力を紹介!
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草木染ワークショップ
今日は上原晴子先生、津田昭子先生、宮入映先生による草木染めのワークショップです。
この講座はファンも多く、毎回参加されている方もいます。

ところで今日のお題ではなく、染色の原料がこの画像なのですがなんだか分りますか?

黒く丸いのが二つ見えますね。何かの種でしょうか?


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いえいえこれは実はサボテンについて繁殖する介殻虫(かいがらむし)という昆虫なのです!!
一般にはコチニールと言って市販されています。先生方がメキシコまで行ってサボテンから捕ってきたわけではないですよ。草木染めっていろんなものを使うのですね~。

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この介殻虫(かいがらむし)=コチニールを煮込みます。「虫がふやけると足が出てきたりしますよ」と解説されている先生の話を聞いて、それじゃまるで煮干しから出しをとっている感覚じゃないかと思いつつ、だまって見ていました(笑)

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良い色が出来たので、白生地を煮詰めます。

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出来たかな?

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綺麗に染め上がりました!美しいですね!

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最後に記念撮影をします。他のグループもありましたが、時間の関係で帰られました、草木染めは大人気ですね。

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絞り染めワークショップ
今日は絞り染めのワークショップがありました。講師は足立昌澄先生、伊藤愛一郎先生です。

まずは染めない部分を絞りにします。と簡単に書きますが、これがなかなか大変な作業なようで皆さんデザインを決めて熱心に縫い物をされていました。
縫って絞りをつけた部分が染まらないので、そういったデザインになるのです。

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がんばって縫い上げた生地を今度は染めます。それぞれお好きな色を調合してもらっています。決まった温度で染めないと、水で流した後に染め色が流れ落ちてしまうそうです。

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染めた後ドライヤーで乾かします。

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この後、絞りをはずしたら完成となります。とりあえず記念撮影を!みなさんがんばりました!とってもうれしそう。

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きざはし会展 足立昌澄先生
足立昌澄(あだち まさずみ)先生(染)

1959年 神戸市に生まれる
1989年 新人染織展にて意匠賞
1990年 新人染織展にて新鮮賞
2003年 日本伝統工芸展にて日本工芸会奨励賞
      日本工芸会正会員認定
      日本工芸会正会員 京都工芸美術作家協会会員


 今回の先生の作品、何か分りますか?何と南極にペンギンがお散歩している図なのです。かわいい~ですね!「閑歩」というタイトルです。着物でよくあるのが、鶴や普通の鳥は一般的に見られますが、「鳥類がよくあるなら、ペンギンだって鳥類じゃないか」とペンギンに挑戦されたそうです。夏向きの着物ですので涼しさ倍増です。左手にある帯も対になっていてペンギンがあしらわれています。
 今回の展示会の中でもひときわ注目を集めていて、みなさんとっても熱心に鑑賞されています。中には「てっきり女性がこの作品をつくったのかと思っていたら、男性と知ってびっくり!」という方もあったそうです(笑)

 このように個性をだすという意味では、先生の創作の原点は学生時代に師事された日本画の大家、下村良之介先生(パンリアル美術協会を結成した、前衛画家)にあります。「人と違った個性を出すこと」を教えられ、現在でもその信条のもと、個性的なものを作り続けていらっしゃいます。

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きざはし会展 佐野美幸先生
佐野美幸(さの みゆき)先生(織)

1953年 高知県に生まれる
1982年 京都インターナショナル美術専門学校卒業
      志村ふくみ氏に師事
1991年 日本伝統工芸近畿展 松下幸之助記念賞
1997年 日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞 
2003年 日本伝統工芸展 文部科学大臣賞   
      銀座和光にて「うすはたの会」出品
2005年 イギリスロンドンにて「うすはたの会」出品
      日本工芸会正会員


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「赤蜻蛉」

子供の頃、今時分によく見かけた赤トンボの風景を思い起こして、この作品をつくられました。たしかに子供の頃の記憶に秋と言えば、赤トンボが群れをなして飛んでいましたね。最近はそういえばあまり見かけない気がしますがどうしてでしょう。幼き頃のノスタルジックな思い出が蘇ってきますね。

佐野先生はシマというか縦の線で表現をされることを得意とされています。特に薄い織物になると縦の線が生きてきますので、美しいですね。

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「驟雨」

驟雨とはにわか雨のこと。ちょうど秋口に清輝楼にいらして、この3階から見た宮津湾の情景を作品にされました。「橋立は しぐれて 冬の来るかな」という古歌がありますが、天気雨やにわか雨が多くなるとこのあたりは冬への誘いとなります。
そんな情景を藍の色で表現されました。藍も一種類ではなく、5段階くらいの濃淡で、濃い藍から白までを使って表現されています。

最近は若い方がこういったシックな着物を選ばれることが多くあります。特に年令を問わず白か黒の帯でモノトーンに着て欲しいとお話しされていました。

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きざはし会ワークショップ4講座募集中10/29・10/30・10/31・11/1
ワークショップ ~文人墨客の宿清輝楼で、ものつくり体験~

●ワークショップ参加費 1講座2,500円(材料費含)/定員各講座15人(先着順)

■絞り染め講座  お好きな文様を絞って染めましょう。地元特産の丹後ちりめんで絞り染めのショールをつくります。簡単な絞りで意外な出来上がりが楽しめます。

日時  10月29目(木) 午後1:00~4:30
講師  足立昌澄、伊藤愛一郎
持ち物 エプロン・糸切りバサミをご持参ください。

■木染め講座草  今回は、サボテンに付くコチニールという虫で濃いピンク色を染めましょう。生地は丹後の絹織物を使用します。コチニールは食品や口紅の赤を出すのに使われています。  

日時  10月30日(金) 午後2:OO~4:30
講師  上原晴子、津田昭子、宮人映
持ち物 エプロン・ビニール手袋をご持参ください。

■陶芸講座   たたら板を使って角皿や色々な形の豆皿を作ったり、てひねりでお茶碗や小鉢、ぐいのみを作ります。世界で一つしかない自分の焼き物を作ってみましょう!
日時  10月31日(土) 午前の部 午前9:45~11:15
                午後の部 午後2:OO~3:30
講師  柴田良三、近藤知子
* 陶芸作品は焼成後まとめて清輝楼に送付いたします。遠方で取りにこられない方は別途送料が必要です。
■七宝焼講座   美しいペンダントやブローチを作りましょう。銅版の上に好きな模様をカラフルな七宝釉薬をのせて焼き、自分だけのアクセサリーを作ります。完成後は胸に着けて楽しく帰れます。
日時  11月1日(日)  午前の部 午前9:45~11:15

講師  岡弘美、加藤忠雄

きざはし会展 近藤知子先生
近藤知子(こんどう ともこ)先生(陶)

1950年 兵庫県西宮市に生まれる
1972年 甲南大学文学部卒業
1985年 滴翠美術館付属陶芸研究所専攻科修了
1987年 新匠工芸展新人賞受賞
      女流陶芸展京都府知事賞受賞
      京都工芸美術展優秀賞受賞
1990年 新匠工芸展会友賞受賞
1991年 朝日陶芸展シドニー展選抜
      新匠工芸展知事賞受賞
1992年 淡交ビエンナーレ茶道美術公募展奨励賞受賞
2007年 日本伝統工芸展入選
        日本工芸会準会員

 近藤先生は2年前に上原晴子先生と清輝楼にて二人展を開催していただき、きざはし会展の礎を築いていただきました。

 そんな近藤先生にどうして陶芸の道に進まれたのか伺ってみました。大学卒業後、元々趣味として研究所に入られたそうですが、もっと専門的に学びたいということで陶芸研究所の2年間の専攻科に進まれました。専攻科の様子を伺うと、様々なテストがあるそうです。①最初は2時間でバイというものを120個つくること。②クミダシを90個つくること。同じように③鉢。④一輪挿し。⑤皿。⑥大皿。⑦大つぼ。という具合に一つ一つクリアしないと前に進めないそうです。なんかすごいですね~。厳しい関門をくぐり抜けてこられたんですね。

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 現在は写真にあるような幾何学模様を得意とされていますが、このスタイルは初入選した頃から傾倒しておられるようです。本当に大きなつぼで、これに綺麗な紋様をつけて焼き上げるのは大変なことだと思います。すごい!!

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きざはし会展 津田昭子先生
津田昭子(つだ あきこ)先生(織)

1946年 京都市に生まれる
1966年 京都府立大学女子短期大学部被服科卒業
1982年 志村ふくみ氏に師事
1988年 おぐら会展に出品
1994年 日本伝統工芸近畿展に初入選
2000年 染織展個展(ギャラリーカト)
2003年 染織・陶展ふたり展(ギャラリー賛)
2005年 日本伝統工芸染織展初入選
2006年 日本伝統工芸展初入選
2007年 染織・陶展ふたり展(ぱるあーと)
      日本工芸会準会員


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「黄葉」

京都の四季折々の美しさを作品に表現される津田先生、今回はイチョウ並木の美しさを作品にされました。例えていうなら紫明通、銀閣寺、御所、嵯峨、清涼寺あたりのイチョウの風景でしょうか。

鮮やかな黄色ですが、これはカリヤスで染められました。染める回数で濃淡を付けられるそうです。
縦に入っている濃い緑はクチナシと藍から染めたもの、また薄い緑はカリヤスと藍の生葉で染められました。なんと先生は藍を自分で育てておられるようです。自分で育てた草花で糸を染められ、その糸で織りをされるので、まさに自然の恵みをそのまま作品に生かされています。だから津田先生の作品はやさしい印象がするのでしょうね。ご本人もとても穏やかな方です。

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「川辺」

桂川の南に背割堤の桜があり、それを作品にされました。近づいてみるとたくさんの色が入っています。いろいろ取材をして感じますが、織物は遠くから見ると絵画のように見えますが、よくよく近づいてみると非常にたくさんの線や色が使われておもしろいですね。それだけご苦労して織っておられるのですね。

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きざはし会 朝日新聞に紹介される
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工芸13人の秀作100点

宮津の旅館で「きざはし会展」

  日本工芸会員の優れた作品を紹介する「きざはし会展」が27日、宮津市魚屋の老舗旅館「清輝楼」で始まった。染織、陶芸、金工、人形の4部門で、工芸家ら13人の約100点を展示する。11月1日までで無料。29日から出品作家が講師を務めるワークショップも開かれる。
  染織の宮入映さんは、紫根の「さび紫」にグレーがかかった染織に仕上げた着物「月華」を出展。初参加の人形部門には岡弘美さんがパンツルックの若い女性を表現した「まなざしの行くえ」、金工の加藤忠雄さんは花挿「蝶文花挿」を出品している。
  ワークショップは、29日「絞り染め」、30日「草木染め」。31日「陶芸」、11月1日「七宝焼き」。参加費は材料費含み2500円。問い合わせは清輝楼(0772-22-4123)へ。

きざはし会展 宮入映先生
宮入 映(みやいり えい)先生(織)

1960年 長野県坂城町に生まれる
1991年 山根正平氏に師事紬織を学ぶ
1994年 京都市で染色・織物組織を学ぶ
2004年 日本伝統工芸展初入選
2006年 日本伝統工芸近畿展初入選
2008年 日本伝統工芸染織展初入選
      日本工芸会準会員


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「月華」

この作品は第38回日本伝統工芸近畿展において松下幸之助記念賞を受賞されました。本当におめでとうございます!

紫の色は紫根(しこん)の染料で、グレーを入れて渋さの中に紫の美しさを出るようにされています。
宮入先生は組織織り(そしきおり)を得意とされていますが、それぞれ大きさの違う組織を組み込まれることによって、波打つような動きが出てきて、月光のおぼろな感じがでています。組織織りを得意とされる方は少ないようです。また組織の合間に絣を入れられています。

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生絹(すずし)ストール「茜」

今回のきざはし会展のために織っていただいたストールですが、横の糸が見えないですよね!髪の毛よりも細い糸を使われているためですが、羽衣のような透けてやわらかな雰囲気を出されています。本当に美しく透けていますね。

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無理を言って先生に羽織っていただきました。透き通る羽衣ですから、天女のようなイメージですね。

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同じく生絹(すずし)ストール「橡」(つるばみ)

「橡」(つるばみ)とはドングリの古い名前だそうです。きざはし会展に来ると金偏・糸偏・木偏の漢字に強くなりますね!
どんぐりを鉄媒染して、各グレーの濃さが違う糸をつくって、織り込むのだそうです。この前子供とドングリ拾いにいきましたが、あれからこんな美しい色がでるなんて・・・


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きざはし会展 細見巧先生
細見 巧(ほそみ たくみ) 先生 (織)

1952年 兵庫県に生まれる
1977年 京都市立芸術大学卒業
1993年 日本工芸会正会員に認定される
1997年 日本伝統工芸染織展にて東京都教育委員会賞を受賞
1999年 日本伝統工芸染織展にて文化庁長官賞を受賞
2001年 日本伝統工芸染織展にて北國新聞社賞を受賞
      銀座和光にて「うすはたの会」展出品
2005年 イギリスロンドンにて「うすはたの会」出品
      日本工芸会正会員 京都工芸美術作家協会会員

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綴れ織り「集」

単刀直入に、綴れ織りってわかりやすく言うとどんなものですか?と先生にお尋ねしました。
横糸のことを緯糸(ぬきいと)と言い、緯糸(ぬきいと)が縦糸をくるむようにして織り、その緯糸(ぬきいと)で表現するのが綴れ織りの特徴だそうです。ですから糸で織り込んでいても絵画的なことが表現できるのだそうです。不思議ですね。

遠目から見るとまるで模様が画かれているように見えますが・・・

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近づいてみると別のデザインのように見えます!たくさんの緯糸(ぬきいと)が織り込まれているのがわかりますね。白くなっている部分は途中で織り返しているのだそうです。織りってなんだかおもしろいですね。

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綴れ織り「あさもや」

水面で美しくゆらいでいるようなイメージのものです。綴れ織りは絵画的な表現ができると言われましたが、まさにそんな感じです。

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さっきと同じように近づいて見ますと・・・ハツリ目と言って織り返している部分に穴が開いてしまうのですが、そのハツリ目が全く分らないですね。ということはそれだけ上手に織られているということなのです。
綴れ織りは遠くから見るのと、近づいて見るのとでは、違う印象があるのが興味深いです。
奥が深い!

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細見先生は日本画を高校生の頃から学んでこられました。私も大変関心があるのでいろいろとお話しを伺うのですが、江戸時代の京絵師の流れをくむようなお話しが聞けてとても楽しいです。京絵師のDNAはここにも受け継がれていますね。