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清輝楼日記:丹後半島宮津/天橋立の文人墨客の宿
京都府北部丹後半島・宮津/天橋立の老舗旅館清輝楼主人の徒然日記。元禄年間創業の宿は「小さなちいさな美術館」として文人墨客の作品を多数展示。歴史・まち歩き情報など丹後宮津/天橋立の魅力を紹介!
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きざはし会展 宮入映先生
宮入 映(みやいり えい)先生(織)

1960年 長野県坂城町に生まれる
1991年 山根正平氏に師事紬織を学ぶ
1994年 京都市で染色・織物組織を学ぶ
2004年 日本伝統工芸展初入選
2006年 日本伝統工芸近畿展初入選
2008年 日本伝統工芸染織展初入選
      日本工芸会準会員


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「月華」

この作品は第38回日本伝統工芸近畿展において松下幸之助記念賞を受賞されました。本当におめでとうございます!

紫の色は紫根(しこん)の染料で、グレーを入れて渋さの中に紫の美しさを出るようにされています。
宮入先生は組織織り(そしきおり)を得意とされていますが、それぞれ大きさの違う組織を組み込まれることによって、波打つような動きが出てきて、月光のおぼろな感じがでています。組織織りを得意とされる方は少ないようです。また組織の合間に絣を入れられています。

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生絹(すずし)ストール「茜」

今回のきざはし会展のために織っていただいたストールですが、横の糸が見えないですよね!髪の毛よりも細い糸を使われているためですが、羽衣のような透けてやわらかな雰囲気を出されています。本当に美しく透けていますね。

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無理を言って先生に羽織っていただきました。透き通る羽衣ですから、天女のようなイメージですね。

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同じく生絹(すずし)ストール「橡」(つるばみ)

「橡」(つるばみ)とはドングリの古い名前だそうです。きざはし会展に来ると金偏・糸偏・木偏の漢字に強くなりますね!
どんぐりを鉄媒染して、各グレーの濃さが違う糸をつくって、織り込むのだそうです。この前子供とドングリ拾いにいきましたが、あれからこんな美しい色がでるなんて・・・


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きざはし会展 細見巧先生
細見 巧(ほそみ たくみ) 先生 (織)

1952年 兵庫県に生まれる
1977年 京都市立芸術大学卒業
1993年 日本工芸会正会員に認定される
1997年 日本伝統工芸染織展にて東京都教育委員会賞を受賞
1999年 日本伝統工芸染織展にて文化庁長官賞を受賞
2001年 日本伝統工芸染織展にて北國新聞社賞を受賞
      銀座和光にて「うすはたの会」展出品
2005年 イギリスロンドンにて「うすはたの会」出品
      日本工芸会正会員 京都工芸美術作家協会会員

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綴れ織り「集」

単刀直入に、綴れ織りってわかりやすく言うとどんなものですか?と先生にお尋ねしました。
横糸のことを緯糸(ぬきいと)と言い、緯糸(ぬきいと)が縦糸をくるむようにして織り、その緯糸(ぬきいと)で表現するのが綴れ織りの特徴だそうです。ですから糸で織り込んでいても絵画的なことが表現できるのだそうです。不思議ですね。

遠目から見るとまるで模様が画かれているように見えますが・・・

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近づいてみると別のデザインのように見えます!たくさんの緯糸(ぬきいと)が織り込まれているのがわかりますね。白くなっている部分は途中で織り返しているのだそうです。織りってなんだかおもしろいですね。

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綴れ織り「あさもや」

水面で美しくゆらいでいるようなイメージのものです。綴れ織りは絵画的な表現ができると言われましたが、まさにそんな感じです。

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さっきと同じように近づいて見ますと・・・ハツリ目と言って織り返している部分に穴が開いてしまうのですが、そのハツリ目が全く分らないですね。ということはそれだけ上手に織られているということなのです。
綴れ織りは遠くから見るのと、近づいて見るのとでは、違う印象があるのが興味深いです。
奥が深い!

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細見先生は日本画を高校生の頃から学んでこられました。私も大変関心があるのでいろいろとお話しを伺うのですが、江戸時代の京絵師の流れをくむようなお話しが聞けてとても楽しいです。京絵師のDNAはここにも受け継がれていますね。

きざはし会展 伊藤愛一郎先生
伊藤愛一郎(いとう あいいちろう)先生(染)

1957年 名古屋に生まれる
1979年 名古屋工業大学卒業
      京都にて日本工芸会正会員染色作家山科春宣に入門 染色一般を修行
1984年 第13回日本工芸会近畿支部展(現日本伝統工芸近畿展)初入選
1988年 独立自営
1993年 第40回日本伝統工芸展初入選
2004年 日本工芸会正会員認定される
      日本工芸会正会員・京都工芸美術作家協会会員

今回展示して頂いたのは1993年 第40回日本伝統工芸展初入選した思い出の作品です。タイトルは「陽光」。やはり思い入れが深いようで、技術は今の方が上達しているけれど、当時のまっすぐな作品に対するひたむきさが出ている、と感慨深くお話しされます。最近は蝋などで染めをされますが、この作品は糊で丁寧に仕上げられています。

 自然の命、思いを受け止めて伝わるようにしたいというのが先生の作品に対する思いですが、最近の作品は魚をモチーフにしたものなど、独自のテーマをもたれています。昨年展示していただいた、魚の大群の大回転など水族館にいるような臨場感がつたわって来て私は大好きでした。

 今後の展望をお聞きすると、「誰かが自然と着たくなるような着物を作りたい」と作者の思いとそれを着る方との思いがつながるような作品を目指されています。初志貫徹で創作に励んでこられましたが、これからもますます意欲的に活躍されるのを感じました!


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フラッシュのよるこんなに色合いが違います。写真は難しいですね。

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きざはし会展 上原晴子先生
上原晴子(うえはら はるこ)先生(織)

1948年 京都市に生まれる
1984年 日本染織学園研究科卒業
1993年 ’93美術選抜展選出
1996年 京展 日本経済新聞社賞
1997年 ’97京都美術工芸展 優秀賞
2001年 日本伝統工芸近畿展
      京都府教育委員会教育長賞
      京都市芸術文化協会賞
      「京都の工芸 in エディンバラ展」選出
2005年 京都工芸美術作家協会展 知事賞
2006年 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞
      日本工芸会正会員・京都工芸美術作家協会会員



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「霜月の頃」

霜月ということでちょうど今時分の季節ですね。晩秋に風車のように散っていく葉が緑で表現されていますが、この部分は先生の得意とするタテヨコ絣が使われています。鮮やかな秋色が織り込まれていますが、よくよく近づいてみると沢山の色が使われているのに驚きます。伺うとケヤキ・車輪梅などから染め出したものが6種類以上使われているそうです。たくさんの色ですが遠くからみると秋そのものになっていくのはおもしろいです。

これまでたくさん上原先生の作品を見てきました、ブルーを良く使われてきたイメージがありますが、今回はそういった意味では希少な色遣いとも言えます。
以前東大寺のイチョウを表現された黄色い秋の作品もありましたが、あらためて自然の草木をつかった草木染めの奥深さをかいま見たような気がしました。

いつもパワフルな上原先生には私も元気をもらうような気がします。

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フラッシュの加減で違う色に見えますね。

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きざはし会展 足立真実先生
足立真実(あだち まみ)先生(織)

1967年 京都市生まれ
1990年 京都精華大学染織科卒業
1994年 紬織作家・村上良子師に学ぶ
2002年 日本伝統工芸展近畿展「日本工芸会賞」受賞
2002年 草木染ビエンナーレ・in・あいち「準大賞」受賞
2003年 日本つむぎ大賞新人賞「大賞新人賞」受賞
2004年 全国染織作品展「奨励賞」受賞
2005年 日本伝統工芸染織展
      「新人奨励賞・京都新聞社賞」受賞
2006年 日本伝統工芸展「新人奨励賞」受賞
2007年 Handwerk macht Mode(Munchen)
      日本工芸会準会員

「イギリス組曲」

バッハの音楽から作品をつくられる足立先生は、今回はイギリス組曲をテーマに作られました。イギリス組曲はバッハのチェンバロの曲、イギリスの石積みの教会を表現したいと、この作品を作られました。

足立先生は大学で染色の指導をされていますが、先生が学生の頃は現在ほど講義が多彩ではなかったようです。現在は地方に在住の若い方が「京都で着物の事を学びたい」と京都に集まって来られるのが大変多いと言われます。最近は着物を着る方が少ないように思われがちですが、若い世代にもしっかりと受け継がれていることをうれしそうにお話しされています。何も着物は遠い存在ではなく、ごく日常にあるものだと、身近に感じてもらえれば。。。とお話しされていました。

先日、天橋立で能「丹後物狂」が上演されたので、足立先生と能について少しお話しをしました。以前から能を熱心に鑑賞されている先生は、能をテーマに着物を創作されたこともあるそうです。少ない動きで感情を表現する能と、着物は相通じるものがあるのでは、とお話されていました。

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きざはし会展 加藤忠雄先生
加藤忠雄(かとう ただお)先生(金工)

1939年 京都市に生まれる
1964年 京都府工芸美術展出品(受賞8回・京都府買上6回)
1965年 京都市美術展出品(受賞4回・審査員4回)
1967年 日展出品(入選13回・外務省買上)
1976年 京都府より海外研修として欧州へ派遣される
1980年 日本新工芸展出品(受賞3回)
1985年 京都の現代作家15人展出品
1988年 京都府文化博物館の壁面装飾を制作
1991年 現代京都の美術・工芸展出品
1993年 日本伝統工芸展出品 近畿展出品(受賞3回)
2002年 加藤忠雄金工三代展(茨木市主催)
      日本工芸会正会員・京都工芸美術作家協会理事


 金工には大きく分けて、彫金(ちょうきん)・鍛金(たんきん)・鋳金(ちゅうきん)とありますが、加藤先生は彫金と鍛金がご専門です。

先生は去年のきざはし会展の後、平成20年11月17日~12月6日まで、フランス パリで「工芸京都の精華展」として展覧会をされました。(日仏交流150周年記念、京都・パリ友情盟約都市提携調印50周年記念、主催:工芸京都)そのお話を伺うと、ヨーロッパには甲冑などの技術はあっても彫金の技術はなく、フランスの皆さんも先生の作品にびっくりされていたそうです。フランスでは違う文化でも皆さん熱心に鑑賞されていたそうです。

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花挿「蝶文花挿」

銅の作品ですが、ボディは銀メッキがしてあります。これは杉の葉などの枯葉で炙るのだそうです。取っ手の赤い部分は硫酸銅・緑しょう・みょうばん・梅酢などを混ぜて煮るそうですが、何故かそこに大根おろしを入れるのが昔ながらの技法だそうで、大根おろしを入れるとアラ不思議、いろんな色に変わっていくそうです。

彫金作品は鑑賞用にされる方が多いですが、先生は是非実際に使ってほしいということで、この花挿しを作られました。先生がお好きな山野草をいれてはいかがでしょう。

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香炉「純銀羽文香炉」

これは大きな銀の板をたたき上げるのですが、3~4日かかってこのようなつぼ状になるそうです。
表面の飾りをするためには、松やに・地の子(砂)などをいれて、肉をつけていく技法です。

実際に中を見せていただきましたが一枚の板からこんな美しい物が出来上がるなんて信じられないです。人間の技術というものは素晴らしいですね。

昨年は香炉などが中心でしたが、今年は花挿しなどを多く展示していただきました。

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花挿「双波花挿」

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置物「「かとれや文置物」

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きざはし会 中川正洋先生
中川正洋(なかがわ まさひろ)先生(染)

1950年 兵庫県洲本市に生まれる
1972年 京都にて友禅染を始める。
      小西寿生氏に日本画師事
1983年 新人染織展にて意匠賞
1999年 日本工芸会正会員に認定される
2003年 日本伝統工芸近畿展 日本伝統工芸近畿賞
2004年 日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞
2008年 京都工芸ビエンナーレ 産経新聞社賞
      日本工芸会正会員・京都工芸美術作家協会会員

中川先生は「もち糊」(餅米・ぬか・塩をまぜたものを蒸してつくった日本古来の糊)や「蒔糊」(前述のもち糊を乾燥させて砕いたもの)をつかった染めを得意とされています。

写真で並んで写ってらっしゃる作品は「清晨」(せいしん)、夜明け頃という意味です。琵琶湖のアシの群生をイメージしたものです。現在琵琶湖にはアシの群生は少なく、保護区になっています。何度も何度も琵琶湖に足を運ばれてスケッチをされました。

先生は、普通の方とは反対に糊をおいたところを染まらないようにする技法ですので、アシの絵を画いているように見えますが、実際は白いところを画いておられます。所々夜明けの光が見えるのが分りますでしょうか。これがこの技法でしか出せないこだわりです。

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うしろの襖の書(200年前の儒学者の書)との演出がおもしろいですね。

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名古屋帯「清流」

これは実際にイワナを樽にいれてスケッチをされました。
私は何となく稲垣稔次郎(型染めの人間国宝、清輝楼のアメニティグッズのデザインをしていただいた方)の絵に似ているなと思いましたら、中川先生は稲垣稔次郎や芹沢介を目標にされていたようで、ただし型染めではなく、独自の糊の技法で迫りたいとお話しされていました。

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川にいるイワナの上下にデザインされているのは、糊をわざと割れるようにしてされました。

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名古屋帯「山帰来」

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これも上と一緒で葉の葉脈になっているのが糊の割れを使った技法です。しっくりきていますね。

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私は思いますに、江戸時代の絵師のDNAの多くは染めの作家さんに受け継がれていると思います。中川先生は四条派に師事されましたが、まさにその世界が繰り広げられています。
日本画の命はスケッチと言われます。一瞬一瞬で全く違う表情を見せる自然を「糊」のせきだしで表現するのは大変困難なことだそうです。

伝統工芸展「きざはし会」始まる!10/27~11/1
日本伝統工芸の展示会 「きざはし会展」」がいよいよ始まりました!
清輝楼の3階大広間を使って、現代の文人達が集まります。今年は13名の作家さんが集まっていただきました。なかなか見られない、伝統工芸の数々を是非ご堪能下さい!

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