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清輝楼日記:丹後半島宮津/天橋立の文人墨客の宿
京都府北部丹後半島・宮津/天橋立の老舗旅館清輝楼主人の徒然日記。元禄年間創業の宿は「小さなちいさな美術館」として文人墨客の作品を多数展示。歴史・まち歩き情報など丹後宮津/天橋立の魅力を紹介!
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10/27~11/4「きざはし会展」佐野美幸先生
佐野美幸(さの みゆき)先生(織)

1953年 高知県に生まれる
1982年 京都インターナショナル美術専門学校卒業
      志村ふくみ氏に師事
1987年 渡仏パリ・ソルボンヌ大学留学
1988年 南仏ミラマス、パリ、ヴェルサイユにて個展
1991年 日本伝統工芸近畿展 松下幸之助記念賞
1997年 日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞 
2003年 日本伝統工芸展 文部科学大臣賞   
      銀座和光にて「うすはたの会」出品
2005年 イギリスロンドンにて「うすはたの会」出品
      日本工芸会正会員

 先生と一緒に写っている作品は「白露」というタイトル。秋、ちょうど今頃の10月頃をイメージしてつくられました。平織りといって日本で一番古くからある織り方で織られています。茶色の部分は「ビンロージュ」という南方の植物からとり、金茶部分は「やまもも」の木の皮からとられています。先生は特に木や皮、根からの染色がお好きとのことです。今回は特に清輝楼の風合いに合わせた色合いの作品を展示していただいています。

 作品「赤と青の岬」(3枚目の写真)は天橋立をイメージして織り上げられました。赤、緑、金茶など20色もの色で海のきらめきを表現しています。天橋立が海から遠くす~っと見えて、立ちのぼるイメージです。

 小物もイチイから染め出したガマ口やセイタカアワダチソウのネクタイなど、草木染めのバリエーションは幅広いです。

 津田昭子先生と時を同じくして佐野先生は志村ふくみ先生(つむぎの人間国宝)に師事され、その深い作品と人間性に感化されたそうです。さらに研鑽を積むべく渡仏されました。パリ時代の思い出を伺うと、緯度や空気によって色が違って見えることに驚かれたそうです。日本より緯度が高く、乾燥しているパリの方が明るく、クリアーに見えるそうです。外側から日本を見つめ直してみると、日本の技術力の高さをあらためて感じると共に、ヨーロッパのレース、タペストリー等の厚い文化に刺激されて、創作意欲を新たにされました。



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10/27~11/4「きざはし会展」上原晴子先生
上原晴子(うえはら はるこ)先生(織)

1948年 京都市に生まれる
1984年 日本染織学園研究科卒業
1993年 ’93美術選抜展選出
1996年 京展 日本経済新聞社賞
1997年 ’97京都美術工芸展 優秀賞
2001年 日本伝統工芸近畿展
      京都府教育委員会教育長賞
      京都市芸術文化協会賞
      「京都の工芸 in エディンバラ展」選出
2005年 京都工芸美術作家協会展 知事賞
2006年 日本伝統工芸染織展 文化庁長官賞
      日本工芸会正会員・京都工芸美術作家協会会員

 先生は昨年、清輝楼にて近藤知子先生と二人展をしていただき、今回のきざはし会展の端緒を開いていただきました。先生の得意とされるのは「たてよこ絣(かすり)」という技法です。作品「南都の秋」(2枚目の写真)は2006年秋に東大寺二月堂で個展をした折りに、いつも2本の大きな素晴らしいイチョウの木を眺められていて、それを表現したいという思いが結実したものです。イチョウのイメージにあたる黄色はクチナシの実、ザクロの果皮、近江カリヤスなどで糸を染色して、それを織り上げました。近くで見ると薄い黄、濃い黄を交互にしてぼかす技術が施してあります。

 作品「春のきざし」(3枚目の写真)は縦のラインが春の光を表現しており、エル字型のデザインは何と五段階の絣で丁寧に仕上げられています。春の象徴たる黄色のデザインには縦には赤糸が、横には黄糸が織られていて見事な色の調和をなしています。

 先生は自分の人生を見つめ直すために日本染織学園に行かれましたが、そこで植物染色に出会い、大いに感動されたことが、その後運命を決定づけたとお話されています。そしてさらに研究を深めるために植物染色(草木染め)の大家たる上村六郎先生に師事されました。

 上原先生は今回のきざはし会展開催にあたり、特に若い世代へのメッセージをもっておられます。「日本の生地は世界的に見て大変素晴らしい。このことを若い人の手で世界に伝えていただければ。。。もし迷っている方があればこの展覧会を見て光明を得て下さい。」と。
 丹後地域は丹後ちりめんという素晴らしい生地の産地ですので、我々はこの素晴らしさや、日本の素晴らしさを次世代に伝えていかなければなりませんね。


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10/27~11/4「きざはし会展」津田昭子先生
津田昭子(つだ あきこ)先生(織)

1946年 京都市に生まれる
1966年 京都府立大学女子短期大学部被服科卒業
1982年 志村ふくみ氏に師事
1988年 おぐら会展に出品
1994年 日本伝統工芸近畿展に初入選
2000年 染織展個展(ギャラリーカト)
2003年 染織・陶展ふたり展(ギャラリー賛)
2005年 日本伝統工芸染織展初入選
2006年 日本伝統工芸展初入選
2007年 染織・陶展ふたり展(ぱるあーと)
      日本工芸会準会員

 津田先生は京都は奥嵯峨にお住まいですので、その嵯峨野の風情を作品に表現しておられるのを印象深く感じました。毎日嵯峨周辺を散策される中で自然の移ろいや微妙な季節を感じておられ、日々の生活の中から感動したことを作品にしておられます。
 先生が創作意欲を開花させたのは、志村ふくみ先生(紬の人間国宝)との出会いが転機だったそうです。
 作品「花あかり」(2枚目の画像)は桜守 佐野籐右衛門さんのご自宅の桜を見続けて過ごしているうちに、何とかそれを表現したい、という思いが実ったものだそうです。桜の木そのものを煮詰めて、鉄媒染するとグレーに色づき、灰の上澄み液で媒染すると桜色になります。その元が同じ桜の木から出来た色を使って織り上げるので、できあがりも自然に調和しています。そのあたりが草木染めの醍醐味の一つなのだそうです。

 作品「川辺に春」(3枚目の画像)は春頃に桂川や高野川に咲いている、からし菜が昼下がりの光の下に揺れている様を表現しています。よく見ると右半分は白っぽい仕上がりに、左半分はやや濃い仕上がりになっているのが美しいですね。

 先生は穏やかな世界がお好きで、日々の感動、光や風を、線やかすりで表現されています。


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